ベルベットの騎士

「ウィル様!ウィル様!?」
心配したフィナンシェは這うよにして、ウィルの側ににじりよる。すると彼は目を閉じて、大の字になって床に倒れ込んでいた。
「心配いらないさ、フィナンシェ。この程度でくたばる旦那じゃねぇさ」
「だって、フエゴ!」
ウィルとは異なる青年の声で話すフエゴを、怪訝に思う余裕もなく、フィナンは目を閉じて倒れているウィルを必死で揺さぶった。
「ウィル様!目を開けてください!ウィル様!!」
「うーん……フィナン」
「はい!ここにおります!熱いですか?苦しいですか!?」
「何甘えてんだよ、旦那。お嬢ちゃんにあんまり心配かけんなよ。だいたい、戦争錬金術師がこれしきの熱で目を回してたら商売上がったりだぜ。ほら、起きた起きた!」