ベルベットの騎士

「でも、そのお話は千年以上も昔の事です!人間がそんなに生きられる訳がありません!もし神の子ゆえに可能だとしても、それならば王様がこれほどお年を召すとは思えません!神は不老不死の完全な存在のはずです……!」
「ああ、神そのものならばね……」
ウィルは国王の前に片膝をつくと、彼の顔を見つめながら話続けた。
「神はこの世の全てを生み出し、創造するがただそれだけだ。善悪の概念もなくあるのは力と均衡だけだ。1500年前、地上の人が増え、天と地の均衡が僅かづつ崩れ始めた。行き過ぎた人口増加は自然環境への多大な負担だ。そこで神は新たに生み出した子らを地上に送り、人と交えて神の血を引く新たな人を創造しようとした。それは自然と調和できる人だ。神の子である騎士らも神の被造物に過ぎない。地上に降りれば人と寿命はたいして変わらない」