ベルベットの騎士

そしてそのまま、バルコニーから跳躍すると数メートル下の床に着地した。金染兵はしばらくしゃがみ込んではいたが、何事もなかったように立ち上がり、ウィルの目の前まで歩いてくると、王を床に横たえた。その男の顔を一目見て、フィナンシェは小さな悲鳴を上げた。
「思った通りか……」
ウィルが王の顔を検分するように見回しながら、低く呟く。