さっきの職員室の会話の雰囲気だと、解散した感じだったけど、もしかしてこの人も手伝いを頼まれていたのかな?

だとしたら、初対面同士を先に行かせるのは如何なものか。

相手が誰なのかもわからないのに…、話しかけてもいいのかすらわからずに迷っていると、向こうがこちらをに気づき、慌てたように飛び退いた。

「す、すみません、お邪魔でしたか」

「あっ、いえいえ全然!全然大丈夫です!」

大丈夫と言ったのはいいものの、その後はお互い目をそらしてしまい、なんだか気まずい雰囲気になってしまう。

「あー、えっと…花!綺麗ですよね!」

「そう…ですね」

咄嗟に視界に入った花壇を指して話しかけるも、会話が続かない。

やっぱり突然すぎるし変な人だって思われたかな…と感じながらもなんだか引っ込みがつかなくなって、めげずに口を開く。

「あの、髪色すっごく綺麗ですよね!大学生さんなんですか?」

もう会うこともないかもしれないし、こんな綺麗な顔の人と話すことなんて中々ないだろうというミーハーな部分も相まって、頭をフル回転させながら顔色を伺う。

「いや…伊東さんと同い年です…」

「えっ?」

同い年という言葉にも驚いたが、なにより、

「私の名前…」

「あっ、いや、すみませんごめんなさい……失礼しますっ」