太陽がガンガン照りつけてくる夏。
いつもなら、エアコンの効いた部屋で、好きな音楽を聴いたり、本を読んで優雅に涼しく過ごしているはずの土曜日の午後に、私は学校へ来ていた。
普段から真面目に生きてきて、クラス委員長までやっているというのに…今回はそれがアダとなり、手伝い要因として担任から呼びだられてしまった。
まだ何もしていないのに帰りたいと思ってしまう気持ちを必死で抑え、職員室へと向かう。
職員室に入れば、幾分かは涼しくなるはずだ。
土足を上靴に履き替え、移動していると、体育館やグラウンドからランニング時の掛け声など色々な声が聞こえてくる。
こんなに暑いのに、お疲れ様ですなんて心の中で思いながら歩き、職員室の扉を開く。
中は、いつもより先生が少なく見通しがよかったため、担任はすぐ見つかったのだが、あいにく誰かと話しをしていて、私には気が付かない。
要件を聞こうとしてくれた他の先生にお礼を伝えつつ、話が終わるのを少し遠くから観察する。
話している相手は、明るい茶髪で、例えるなら…カフェラテみたいな綺麗な色だった。
後ろ姿しか見えないけど、身長も165cmくらいはありそうで、スラリとしている。
髪色からして、先生の教え子とかなのだろうか?と1人で考えている間に、2人が私のいる出入口へ近づいてきた。