”私”は呪いなんてものは信じない。

 まぁ元々、幽霊だとか呪いだとかいったジャンルのものは怖いとすら思えなくて。だって、見たことも体験したこともないから。
 だから信じられないのなんて当たり前だよね。

 そういえば、小学生の頃『呪いの手紙』なんてモノが流行ったことがあった。みんなも一度は耳にした事があるんじゃないかな? その手の話しってある一定の周期でブームになるから。とくに子供は、その手の話しが好きだからね。
 内容に多少の違いはあれど、その手の話しは各地で存在しているはず。

 勿論私も、その『呪いの手紙』をもらったことがる。あれは確か……小学五年生の頃だったかな。
 面白半分で貰ったはいいけど、三日以内に十人に同じ内容の手紙を送れっていう、例のアレが凄く面倒で。
 ……あの後、結局どうしたっけ? たぶん放置してそのままなんじゃないかな。
 でも、ご覧の通り私は今も元気に生きています。だから”私”は、未だに呪いなんてものは信じていない。


 一昨日、友達の麻美と電話で話していた時にちょうどその『呪い』の話しがでて、その時も私は勿論信じなかった。
 へー。またその手の話しが流行ってるのか。ぐらいにしか思ってなくて。
 でも、そうは思っても興味はあったから、どんな話し? って麻美に聞いてみた。
 麻美から聞いた話しはとてもシンプルで。
 ”呪い”を信じなかった女の子が、信じなかったせいで呪われて死んでしまった。という、それはなんともつまらない内容で、全く怖くもない話しだった。
 なんでこんなのが流行ってるの? ってぐらいにつまらなくて、なんでこんなつまらない話し聞いちゃったんだろうって後悔すらした。

 ”呪われて死ぬ”って聞くと、何故か逆に知りたくなる。
 怖いもの見たさっていうのかな。そんな心理が働いたんだと思う。でも、私は本当に後悔した。
 だって昨日麻美が亡くなったから。

 三日以内に十人にこの話しをしなければ、次に死ぬのはおそらく私。
 だからといって身内や友達、顔見知りの知人に”呪われて死ぬ話し”を教えるなんて事はできない。
 どうしよう……。私は思い悩んだ挙句、泣きながら携帯を手に取った。

 ごめんなさい。そう何度も呟きながら、
 涙を流して携帯を操作する。

 そうーー
 私は今、小説を書いている。
 小説としてこの話しをネット上にあげてしまえばいいのだ。
 幸いな事に、私は普段から趣味である小説を書いてはネット上にあげている。それを利用すれば、少なからず身近な人にこの話しをしないで済むのだ。

 そうはいっても、やはり良心が咎める。いくら見知らぬ人とはいえ……。





 本当に、ごめんなさい。