新学期。

 晴れて入学したあやめとみな穂を加えた、新しいアイドル部九人での活動が始まった。

 美波が週末にダンスコーチで来るようにもなり、スケジュールも外部は長谷川マネージャーが管理するようになった。

「前に比べてだいぶスケジュール見るの楽になった」

 副部長のポジションになった藤子にすれば、同好会の頃に比べて格段の差であろう。

 まずイベントのゲストと、部活動なので応援団的な要素での、他の部活の試合を盛り上げるといった内容が出てきた。

 新年度の部活動紹介は盛り上がり、手の空いていたマヤと優海が出て二曲ほど披露しただけであったのだが、見学予約だけで半月待ちになるほど希望者が殺到した。



 部長となった唯は、あやめとみな穂の基本練習に付き合っていた。

 優海、雪穂、千波、すみれの新二年生四人と三年生になったマヤは、ボイトレを積極的にしている。

 新人勧誘は、あえて控えめにしていた。

「瀬良会長がいると、ちょっとね…」

 それでも見学者は毎日何人か来るので、

「体験レッスンをして、それで興味のある子だけ誘う」

 という方法を取ることにしたのである。

「でも部室は広くなったし」

 新学期前に工事で広くなった部室は面積が二倍になったばかりでなく、衣装のチェックも出来るようになった。

 グッズ販売も、受注生産販売の形にしたおかげで在庫も少なくて済む。

「アイドルも楽じゃないわぁ」

 思わず優海は漏らした。