ののかは唯やすみれ、マヤに囲まれて花束を渡された。
「夏休みには札幌に戻れると思う」
横浜の大学へゆくので、簡単には帰れない。
それだけに「新千歳まで見送りに行くから」という声がした。
美波は澪たちから少し離れた位置にいたが、
「来なって」
藤子に手を引かれて寄ってきた。
「美波、ありがとう」
「澪、最後のスピーチ凄かったね」
「みんなにどうしても、自分の言葉で感謝を伝えたかったからさ」
照れ臭げに頭を掻いた。
「でも私、春からもここに来るから」
一瞬、澪はよく分からなかったらしく、随分と不思議そうな顔つきをした。