しばしの黙(もだ)のあと、拍手が止むまで時間を要した。 後にファンの間で、 「伝説の答辞」 と呼ばれたそれである。 最後に、ステージにメンバーが並んだ。 黙礼ののち、 「美波、カモン!」 拍手に包まれて美波があらわれた。 「今日は通信課程のメンバー、乾美波も参加します。今日は卒業式のためにメンバーが書き下ろした曲を披露したいと思います。それでは聴いてください、『雪が消える頃には』」 千波のピアノのイントロが流れてきた。