しばらくして再び呼鈴が鳴り、

「あ、来たかな?」

 今度はすみれが立った。

「あ、こっちです」

 すみれの声とともに、見慣れないスーツ姿のOL風の女性が来た。

「うちの事務所でマネジメントやってる長谷川さん」

 すみれが紹介すると、

「マネージャーの長谷川カナです」

 長谷川カナはお辞儀をした。

「今度ね、アイドル部のマネジメントをすることになったんだ」

 清正は「あぁ…電話では聞いとったけど」とだけ言った。

「外部マネージャーかあ」

 澪は感慨深げに言った。

「今度から、学校行事関連以外の活動はマネジメントさせていただきます」

「じゃ、ハマスタの全国大会は?」

「それはマネジメントの範囲内になります」

「リラ祭は?」

「それは学校行事なので範囲外です」

 長谷川マネージャーの回答は明快である。

「出来る女って感じの人だよねー」

 マヤが言うと、長谷川マネージャーは少し頬を赤くした。