根雪の時期が来た。

 屋上が雪のため閉鎖になると、ダンス練習は空き教室でするようになった。

 この頃には雪穂もだいぶダンスが出来るようになっていて、

「私にも出来たんだから大丈夫!」

 と初心者の千波と一緒に練習をしたりする。

「成長したねぇ」 

 雪の時期でもアイドル部は外で走り込みをするのだが、何しろ手稲の坂の上である。

「これだけで鍛えられはするよね」

 校舎から国道の交差点までを登り下りする。

 後日、これは全国大会に出たときにスタミナとなってあらわれ、メドレーでも息が切れないので、

──まるでアンドロイドだな。

 などと、うわさされたことすらあった。

 期末テストが済むと本格的なスキーシーズンで、

「スノボしてきたんだけどさ」

 などと優海は言う。