土曜日が、来た。

 ジャージ姿の澪とののか、藤子は、清正に言われた通りの朝十時に、部室が並ぶ棟まで来た。

 すると。

「ねぇ、なんか看板があるよ!」

 ののかが見つけたのは、アイドル部とフォントで書かれた、新品のアクリルのプレートである。

 しかも。

「かわいい!」

 プレートには造花がつけてある。

 おまけにドア横には小さなプランターで何やら草花まで飾って置いてあるではないか。

「もしかして嶋先生って、女子力高い?」

 澪は自分がつくづくアイドルが好きで良かった、と思った。