藤子もマネジメントをしながらのメンバー復帰となって、藤子の親しいクラスメイトで、アニメ好きな海老(えび)(はら)マヤが、新しく加入するようになった。

「だって女子でジブリの『海がきこえる』が好きって、なかなか渋くない?」

 マヤは藤子の好みを明かした。

「だけどマヤだって、けいおんのDVDアマゾンで探してたじゃん」

 どことなく藤子とは馬が合うらしい。

 マヤはよくコスプレのイベントにも参加するのだが、

「マヤのコスプレ姿、ビックリするから」

 前に藤子が見たのはラブライブのコスプレであったが、似合い過ぎていて、逆に写真を見た唯が軽く引いたぐらいである。

 そのマヤが連れて来たのが、マヤの同じ中学の一年後輩にあたる宗像(むなかた)千波(ちなみ)で、こちらは吹奏楽部に入るつもりだったのが、希望楽器のサックスがいっぱいで枠がなく、フリーであったのをマヤがアイドル部へ引っ張りこんだ。

 千波はエレクトーンを習っていたので、ピアノが弾ける。

「これで作曲とかどうにかなるかも」

 カラーもマヤはボルドー、千波は黄緑と決まった。

「ボルドーと黄緑って、アイドルではほとんど使われないイメージカラーなんだよね」

 オタクらしいマヤのアドバイスによるものであった。