職員室のいちばん隅の窓側の机に、清正はいた。

「嶋先生!」

 清正は一瞥しただけで、

「君たちは?」

 フラットに応えた。

「私たち、アイドル部の部員なんですけど、質問があります」

「…部室のことか?」

「はい」

 そこはどうやら清正も、考えていたらしい。

「廃部になったワンダーフォーゲル部の部室が、新しい部室になる」

 清正は手前にいた澪に鍵を渡した。

 そもそもこの学校にワンダーフォーゲル部なるものがあることすら、澪は知らなかった。