二学期が始まった。
藤子は本格的にマネージャーとして動き始め、
「このときのこのフォーメーションだと最後に位置が合わなくなるから、変えたほうがいいかな」
などと、特に優海、すみれ、雪穂の三人を、唯と二人でサポートするようになった。
「やっぱりマネージャーつけなきゃダメかなぁ」
澪はスタッフの重要性を痛感した。
澪とののかは、今まで上級生として面倒を見ていたのが、受験対策に時間を割けるようになったのも、大きなメリットであった。
「少しでも全国区にならないと、大変だからさ」
そう言って美波は、空いた時間でアルバイトをして交通費を貯め、東京でのオーディションを受け始めた。
「動画アップするだけじゃ、限度もあるしね…」
活動を動画でアップして宣伝をすることを積極的に提言したのも美波で、茉莉江からのアドバイスも借りながら、リラ祭でのライブの様子などをアップロードしていた。
清正も、レシートや会計を藤子に任せるようになり、残業が減った。
「あとは費用やなぁ」
いかにキリスト教系の学校で、寄付金と授業料で賄われているとはいえ、学割などを活用したとて限界もある。
「とりあえず、ライブとかイベントとか営業かけるより他ないわな…」
やはり世の中、金なのであろう。