次の日から、美波が部室に来なくなった。

「やっぱり藤子ちゃんの言う通り、辞めちゃうのかなぁ?」

 すみれが小さく、ひとりごちた。

 同好会の頃から見てきた、謂わば初期メンバーのようなものであり、また根っからのファンのようなものでもある。

 屈辱まではいかないまでも、耐え難いところはあったのかも分からない。

「無理なら仕方ないって…美波さんだっていろいろあるんだろうし」

 言葉を拾ったのは優海である。

「でもね、みんなそれぞれ、このチームに対して深い愛情を抱いてるってのは分かった」

 私たち幸せなチームにいるのかも知れないね──優海は言った。

「そういう意味では、藤子ちゃんの意見通り誰も欠けたらダメな訳だし…難しいなぁ」

 優海は腕をこまぬいた。