翌日ポスター撮りが短時間で行われたのだが、

「こんなときって、どんな顔したらいいんだろうね…」

 誰もよく分からなかったのか、みな強張ったぎこちない表情でカメラにおさまった。

 優海やののかはカメラに慣れていたが、

「なんで楽しくもないのに笑わなきゃなんないのか、よく分からないんだよね…」

 唯は身も蓋もないことを言った。

「私もニコパチは苦手かも」

 藤子も写真は、どうも落ち着かない。

 ただ雪穂だけは笑顔を振りまいて、すぐ撮影も終わった。

「私は女優だって思い込んだら誰でもできます」

 とはいうもののそうは行かないので、

「あれは天性の芸能人かもね…」

 優海はなぜか、敗北感を覚えた。