澪は沈思していたが、

「私は、コメディはアリだと思う。だってみんながそれで楽しんでくれれば、私はいいのかなって」

「澪…」

「あのねののか、私たちはアイドルなの。アイドルって、偶像なの。偶像に物を選べる自由はないと思うんだ」

 だからね、と澪はののかの顔を見つめ、

「だからこそ、私は雪穂ちゃんの可能性も広げたいし、私たちの可能性も閉ざしたくない。出来る限りのことをしないと、後悔するかもしれないから」

「それは分かるけど…」

「じゃなきゃ桜庭ののかは、仕事を選ぶ了見の狭い人になっちゃうよ」

 ののかは、返す言葉がなかった。

「それに、バラエティの力を鍛えておけば、何かで役立つ日が来るかもしれないじゃない」

 澪らしい前向きな発言に賛同する向きもあった。

「よっしゃ分かった。台本はワイが探しといたるから、歌は少しゆっくり目で聴かせるタイプのにせぇ。二部構成なら、プロ仕様やしえぇやろ」

 ようやくののかも、納得した様子であった。