卒業式が近づいている。

「藤子ちゃんは本州に行くの?」

 みな穂は訊いてみた。

「京都だからね…簡単には帰れないかな」

 卒業後、藤子はアニメーション会社のストーリーライターとして、京都にある出版社への就職が決まった。

「でも京都ならアニメーションは有名だから、もしかしたら藤子ちゃんのストーリーがアニメになるかもしれないんだ?」

「可能性はね」

 それって作家になるよりスゴいかも知れないね、とみな穂はいい、

「そしたら私はアイドル学の学者になろうかな」

「そんなジャンルあるの?」

「なければ作る!」

 みな穂も少し変わってきたようである。