年の瀬が近づくと、各局の音楽番組に呼ばれる頻度が増えたのだが、ほとんど札幌からの中継で、

「すみません、私たち部活動なもので」

 と毎回謝るみな穂のセリフを元にした「私たち〜なもので」という流行語まで飛び出した。

 年末の紅白を終えた後、次は二月の雪まつりライブ、さらには三月一日の卒業式ライブ…と日程は比較的詰まり気味ながら、それでも新一年生は五人入ることも決まって、

「同好会スタートから四年で、ここまで来るとは思わなかったな」

 というのが、初期からいた唯や藤子の偽らざる思いであった。

「うちらは部活動だから、お金も持ち出しだし苦労はあるけど、ビジネスに流されないから廃部にならない限りは大丈夫なんだよね」

 今やアイドル部は全国にある。

 その草分け的な存在として、先だってもフランスのドキュメンタリー映画のクルーが来て撮影していったほどである。

 その中で藤子は、

「私たちの原点は楽しむことで、まずメンバーみんなが楽しむこと、見てくれる人が楽しむこと、そして笑顔にすること…これが最終目標かなって思います」

 そのための厳しい練習であり、ストイックな生活なのだと藤子は言った。