そこへ。

「…おはよう」

 髪をバッサリ短く、体育会系のような髪型をした翠があらわれたのである。

 それまでの腰近くまであったロングヘアを四十センチ近く切っているので、全員が目を丸くした。

「派手にやったねー」

 マヤが冗談めかしたが、

「このぐらいやらないと駄目かなって」

 自分にヤキを入れるつもりでやったらしかった。

「みな穂、何を言ったの?!」

「私は、単に命に関わる話を、軽々しく私の前でしないでって言っただけです」

 訊いてきた雪穂に答えた。

 そこへすみれが来た。

「あのさ、念書おぼえてる?」

 翠は今さら思い出したのか、

「あんな紙切れがどうしたっていうのよ!」

 ヒステリックな声を出した。