部員が七人となったことで少し部室は手狭になったが、ダンスレッスンはその分、屋上を広く使ったフォーメーションを意識したものへと変わり始めた。
しかし。
「どうしても、揃わないんだよねぇ…」
ダンス経験のある唯が発見したのは、テンポ取りの問題であった。
「雪穂ちゃん、ダンスは?」
「あんまり得意じゃなくて…」
これで辞められては困るのである。
離れて見ていた清正が、
「ちーと待っときやな」
しばらくして戻って来た手には、授業用に使うタブレットやら三脚、デジタルカメラなどがあった。
「これで撮りながら、見てみんか?」
客観的に原因を調べるつもりであったらしい。
写真館の娘なだけに、ののかが慣れた手付きで三脚を組み立ててゆくと、あっという間にセッティングが済んでゆく。