新入生の勧誘で入ってきた一年生は岐部優海と有澤雪穂といった。
優海は元来が歌手になるのが夢で、小学校のときからだというボイストレーニングも、本格的にレッスンを受けている。
「アイドルだからって、そこらの男に甘く見られたくない」
という優海は、腹筋が綺麗に割れている。
「アスリートみたいだね…」
藤子はそれだけで軽く引いた。
他方の雪穂は、
「女の私が見ても可愛い」
と、ののかが誤解を招きかねない発言をするほど、色白でクッキリした典型的な美少女のようなビジュアルをしていた。
後に聞いたところ、
「苫小牧のおばあちゃんのほうがアイヌ民族の系統らしいんだけど、それ以外は分からない」
との由で、どこかエキゾチックな雰囲気とスタイルの良さから、小悪魔キャラのように思われていた。