くじは一年生と二年生の人数分を作り、当たりは一本。
順番はじゃんけんで決めて引く。
トップバッターのみな穂が引いた。
「…えっ」
みな穂が驚いたのは無理もない。
「…当たり、引いちゃった」
どうしようというみな穂の困惑の顔をよそに、
「みな穂で決まりね」
誰も予想どころか、一本目で引き当てるとは想像すらしておらず、部室の中は一時騒然となったが、
「でもみな穂で良かったかも」
言ったのは千波である。
「みな穂ってどちらかというと知性派だから、案外上手くいくかも」
自信なさ気なみな穂を、優しく姉のように言葉を千波はかけた。