折しも北海道では災害が立て続いて起きていた時期でもあり、そうした中で起こったアイドル部の歓喜とフィーバーの裏側で、アイドル部の娘たちは困惑していたようで、
「でも、どうしたらいいのか分からなくなるよね」
唯は答えを探しあぐねた。
そのとき。
「ソロと別ユニット以外、外部の活動を休んでみるのは駄目ですか?」
思いついたように言ったのは、みな穂である。
「アイドル部の外部活動だけ休めば、良くなるのかなって」
同時に提案されたのは、各学年五人までの制限と、成績のガイドラインであった。
「これなら少数精鋭で行けるし、分担して動けますよね?」
どこで思い付いたのかまでは分からなかったが、どちらもすぐ採用された。
「代替わりするんだから、せめて良くしとかないとね」
自分では力不足だと唯は思っていたようで、
「澪先輩、認めてくれるかな」
これが唯の最近の口癖になった。