審査の結果発表が始まった。
まずは銅賞、オーディエンス賞、技術賞、審査員特別賞、銀賞、金賞、そして最後に最優秀賞と呼ばれる。
まだ出ない。
不安と期待が入り混じる。
特別賞で叡智学院が出た。
銀賞ではない。
清正は天を仰いだ。
金賞…でも呼ばれなかった。
(さすがにアカンかったかなぁ)
息をついた。
しばし、沈黙があった。
「最優秀賞、ライラック女学院高等部」
一瞬、よく分からなかったが、一階の代表席で唯や藤子たちが抱き合って泣いていた。
「先生、取りましたよ!」
翠に揺さぶられて我に返った。
「えらいことになった」
まず思ったのはそれである。
信じてはいたものの、まさか取れるとまではまるで思っていなかっただけに、
「あいつら、すげぇな。奇跡起こしよったで」
参ったな、というような顔をした。