「二十四番、北海道代表、ライラック女学院高等部」

 ネットで知られていただけにコールだけで拍手が沸いた。

 袖から九人が出てきた。

 いよいよ、自由曲のパフォーマンスである。

 まず藤子がフラッグを掲げる。

 モロキュウPによる作曲の『扉』のイントロがかかった。

 練習のフォーメーション通りに動いてゆく。

 難所のクロスもクリアした。

 歌詞は間違いなく、優海とすみれが歌ってゆく。

 敢えてミュージカルっぽく、しかしアイドルらしさを残したのも、これは計算通りであった。

 無事にパフォーマンスが終わると、拍手がなかなか止まずスタンディングオベーションになった。

「…やった」

 ようやく清正は肩の荷が降りたような気がした。

「あとは結果やけど…こればっかりは分からん」

 勝負ばかりは天の配剤、と清正は呼吸を整えようとした。

 カメラチェックも無事に済み、

「みんな大丈夫かいなぁ?」

 それだけが心配だった。