いよいよ自由曲の部門が始まった。
前日の課題曲の段階では、三位につけている。
「一位が叡智学院、二位が都立鍛冶橋かぁ…」
どちらも優勝候補として名前があがっていた高校で、
「プログラムだと叡智のあとですよね」
隣に座った翠が確認した。
舞台には一番の府立高校が登場し、華やかなオレンジのスクールカラーを基調とした衣装でパフォーマンスを始めた。
一番最後の二十四番がライラック女学院なので、本来ならリラックスしても良いのであろうが、そこはやはり初めての本戦である。
「みんな大丈夫かなぁ」
本番中はスマートフォンが使えないので連絡も出来ない。
気づくと二番の学校が終わって拍手を受けていた。