スタジアムに入ると清正は再び穂先を旗につけ、穂先は鞘袋をかけ、掛緒を結った。

「衣装が古風だから、合ってるかも知れないです」

 というのも。

 今回の衣装は金ボタンをつけた紺の詰襟風の上着に膝丈のスカート、袖にはスクールカラーのライラック色のスカーフを巻いて、ロングブーツに腰はベルトを巻いている。

「さすがに男装風なら、かぶらないだろうって」

 唯の閃きから出たものだった。

 どこから閃いたのかというと、あのとき広場にいた翠と話していた、どのような関係か分からなかったが、詰襟姿の男子学生の姿を見つけた瞬間に、稲妻の走るがごとく浮かんできたのだ、という。

 話を戻す。

 清正はここまでで、あとは男子禁制なので長谷川マネージャーだけが許される。

「先生、行ってきます!」

 あとは、結果が出たあとまで客席に陣取ることとなる。