そのとき。

「お屋形さまーっ!」

 先日の清正の爺が、何やら箱を若者に持たせ清正に近づいた。

「本日いよいよご出陣なれば、これを」

 うやうやしく箱を開くと、中から何やら棒のようなものが出てきた。

 組み立てると、それは尖端に穂がついた槍である。

「これは旗槍でございます」

 刃のない槍に旗をつけて軍旗にした物らしい。

「どうか、武運長久を」

「すまんな」

 穂先だけ外し、手早く取り出したアイドル部のフラッグを取り付けると、

「何かカッコよくなったねー」

 白のポールより旗らしくなった。

「行こうか」

「はい!」

 スタジアムへと入っていった。