藤子の存在はかなり大きかったようで、のちにしばらく経って、みな穂がアイドル部の主力を担うようになった際、
「私には藤子ちゃんという手本があったから、多少のことがあっても何の心配もなく対処できた」
と他日、人に語っている。
だいたい曲のパフォーマンスも固まって、明日は本戦という前夜、ののかも加わって最後のミーティングが始まった。
「泣いても笑ってもこれが集大成だから、みんないい顔してパフォーマンスしよう」
唯は言った。
「私みたいにあんまり部長らしいことを出来てない部長でも、みんながいたからここまで来ることが出来たし、やっぱり仲間って信じるものだなって」
この日合流した翠もいる。
「翠ちゃんだって、メインのメンバーではないけど、あなたにはあなたにしか出来ない役割がある」
唯は翠を凝視した。