さらに、と長谷川マネージャーは、

「アカシア出版青年文学新人賞の最終選考にノミネートされました!」

 最優秀新人賞発表の日程を聞いて、さらに驚いた。

 ハマスタの全国大会と同日なのである。

 しかし藤子は平静で、

「大丈夫、私は全国大会に出るから」

 間違いでなければ夕方の六時ぐらいに発表がある。

「あの段ボール箱の中身、使えたんですね」

 ありがとうございます、と藤子は小声で、長谷川マネージャーにお辞儀をした。

「でもこれで勢いついたかも」

「いやマヤちゃん、少し落ち着こ」

 マヤをすみれがたしなめた。