翌日。

 ののかと茉莉江は宿舎に来て挨拶を済ませてから、羽田空港へと向かった。

「とりあえず、練習開始だね」

「今日は、自主練習にする」

 唯は優海に伝えた。

 気がかりなことがあったらしい。

 チームが例の清正襲撃事件で変に動揺していないか、という点である。

 が。

 それは結露から言えば杞憂であった。

 いつも厳しいことしか言わない優海が、メンバーが泊まる部屋を一部屋ずつおとずれて、

「これをチャンスにするしかない。それには前向きでいること、そして…みんなで団結すること」

 仲間は信じるもの、と説いて回っていたのである。