バスの車中は果然、清正の話になった。

「別に隠してた訳ではないんやけど、別に自分が偉い訳でもないし」

 それで黙っていたらしかった。

「それでなんか戦国武将みたいな名前だったんだ…」

 雪穂がつぶやいた。

「前に澪先輩が、毛利とか藤堂とか戦国無双の家来にいそうなんて言ってたけど…家来じゃないじゃん」

 優海らしいツッコミが入った。

「でもなぜ北海道に?」

「まぁ早い話が、息苦しくなってやな」

 それなりの名家の出には息詰まるものがあるらしい。

「それでたまたま北海道で教師に採用されて、前いた学校が閉校なって、そしたらたまたま募集あったからライ女に来た」

 そこでアイドル部の顧問のなり手がなかったので就任したらしい。