日曜日には、パソコンとプリンタが来た。
さらに模様替えをしたり、着替え用のスペースを作ったり…と、部室の整理をしたのち、週明けから始まる部活動の新入生勧誘、通称新勧の準備がスタートした。
部長の澪は月曜日の朝から玄関前でチラシを配り、ののかと藤子は校門前で、ひたすら気になる子に声をかけた。
正式にまだテニス部を退部していなかった美波は、手続きが済んでから新人勧誘に加わる予定で、
「ごめんね澪、ちゃんとケリついたら勧誘するからさー」
拝むように美波は謝った。
一方で。
清正はメールを、東京のテレビ局や札幌の情報番組に送ったのである。
奇策と言っていい。
「全国でも珍しい、アイドル活動をする部活動」
という特性を売り込んだのである。
翌日、早速テレビの中継車が校門前に停まり、
「どんな部活動ですか?」
などとディレクターが澪にインタビューをする映像が、地元の番組でその日の夕方には流れた。
「あんな風に画面に映るんだねー」
みなしげしげと眺めた。