自由曲もいくつかある中から選んだのは『扉』。

 やはりモロキュウPの作曲である。

 テンポもよくリズムも取りやすいため選んだのだが、唯は違う意味で悩んでいた。

「衣装が、ねぇ…」

 ミシンが扱える唯は衣装を担当し、背の高いマヤから小柄なすみれまで、様々なシーンに合う衣装を作ってきた。

 曲の雰囲気が荘重なため、今までのように可愛らしい訳にはいかない。

 でもスカートが長めではダンスに不具合が出る。

 ふと、部室の窓を見た。

 広場で練習するメンバーを眺めた。

「…そうだ!」

 何か閃いたらしかった。