リラ祭が終わると、いよいよハマスタ全国大会の特訓が始まった。
「こらセラミックス、そこ足逆だって!」
ダンス練習も日に日に厳しくなり、コーチの美波からは、軍隊なみの厳しい指導が入る。
「ほんとにあんた踊れない子だね…これならまだ雪穂のほうがまだ出来るわ」
翠は半泣きになりながらも、必死で練習に食らいつく。
「そりゃ生徒会長だもん、意地はあるよね」
美波は目標を定めてあり、
「初出場で初優勝して伝説的なチームにならないと、世界を立ち渡るなんて夢でしかない」
と言い、それには完璧に揃えたフォーメーションと、オリジナリティで他を圧倒しなくてはならない。
なので甘ったれた性根では、足手まといどころか邪魔でしかないのである。
翠以外それが分かっていて、だから泣きべそをかいても、這い摺ってでも練習に食らいつく。
翠にすればタイミングが悪かったとしかいいようがないのであるが、ともあれ見通しが甘かったのもあった。
当然ながら。
美波の視線の先のものは違う。