早速sea snow irisの練習が始まったが、

「このサウンドだと、インストゥルメンタルっぽいほうがカッコよくないですか?!」

 あやめの提案に優海が乗った。

「歌わないアイドルバンド、アリだね」

 そこで何曲か練習したあと、

「やっぱボーカルあるとちょっとね…サックスでボーカルのラインやってみて?」

 雪穂にボーカルのメロディを吹かせると、

「これだわコレ」

 ちょっと大人な感じが三人とも気に入ったようであった。

「何もアイドル部だから歌わなきゃダメとか、うちの部はないんだよね」

 コントもやれば楽器もやる。

 マヤのようなコスプレ撮影会の企画を持ち込んだのもいる。

 唯も今回はアコースティックギターの弾き語りライブを開く。

「いつもキャピキャピしてなきゃいけないなんて、誰も決めてなんかないし、いいと私は思う」

 この闊達さが、いわばウリでもある。