放課後、翠が息を切らして部室へ飛び込んできた。

「私、アイドル部に入る!」

 いきなり入ってきて、しかもいきなりの発言に周りはひっくり返りそうになったが、

「アイドル部がピンチのときに、おめおめ黙って生徒会長の椅子に座ってなんかいられないわよ!」

 翠は啖呵を切った。

「でも校則では確か禁止のはず…」

 校則には、

「生徒会は部活に容喙しないこと」

 とある。

「確かに容喙はしちゃいけないけど、入部しちゃいけないとは書いてないでしょ」

 詭弁ではないか、と唯は感づいたが、

「とりあえず、先生に伺いを立ててみましょう」

 職員室の清正へLINEを飛ばしてみると、

「君たちが決めなさい」

 とだけ返ってきた。