五月も半ばをすぎると、練習は更に佳境に入る。

「リラ祭近いから気合い入れなきゃダメだよー」

 雪穂にかかると、檄も間延びしてしまうのだが、

「本来部活動は楽しくなきゃいけないんだけど、なんか周りがガチャガチャしてるとストレスたまるよね…」

 それでも、

「あの情緒不安定なセラミックスが落ち着いたからいいわ」

 マヤにすれば実のところ頭の痛い存在だったのかも知れなかった。