それにさ、と美波は、

「澪やののかがいるなら大丈夫かなって」

 屈託のない美波の笑顔が、澪には輝いて見えた。

 それはいい。

 掃除が一通り終わると、

「せっかくやから、リノベーションしたろかなと」

 そう言って清正が取り出したのは、ピンクや白、アイボリーのスプレー缶である。

「これで机とか塗装しとこうや」

 清正に言われるがまま、澪たちは部室内にあったテーブルや棚をカラフルに吹き付け始めた。

 机や本棚をカラフルにしただけだが、部室は明らかに明るくなった。

「女の子が使う部屋なんだし、可愛らしくしとかなきゃ」

 可愛いものに囲まれたいよね、とののかは言った。