イグサは漢字では藺草と書き、畳や座布団、枕などに姿を変え、生活のそばにある植物だ。五月から九月に、黄緑色から淡い褐色の花を咲かせるという。果実の大きさなど、それぞれの特徴を持ったものがあるという。

燈心草(トウシンソウ)とも呼ばれるらしく、それは昔、油で明かりをとっていた頃に花茎の髄を燈心に使っていたことに由来するという。花言葉は「従順」だが、その由来やそれに関する話は、ナオさんもよく覚えていないという。

 サトイモの花言葉は「繁栄」や「無垢の喜び」、「愛のきらめき」。子孫繁栄を表す縁起物として、古くより祝い事に使われていたという。繁栄という花言葉も、一つの親芋から子芋、孫芋――とたくさんの芋ができることからついたという。花は黄色で、八月から九月に咲くという。

 ゴマは、古代エジプト、プトレマイオス朝の女王であるクレオパトラも愛用したという最古の植物油であるという。七月から八月に咲く、朝顔に似ていなくもないという花には、「救護」という言葉がついているという。中国の薬物書、「神農本草経」に不老長寿の秘薬と記され、遠い昔に栄養食として重宝されたその豊富な栄養成分などからつけられたのではないかという。

花の色には白と淡いピンク色があり、白は白ゴマ、淡いピンク色は黒ゴマである場合が多いという。ちなみに、ゴマと聞いて想像するあの小さな粒は、その植物の種だという。

 横に並んで緩やかな一歩を繰り返し、ナオさんの穏やかな声を聴きながら、彼の膨大な知識のこの極一部を、わたしはこれから何分頭に残しておけるだろうと複雑な心持ちになった。