当日、午前10時、俺は1時間も早く駅に着いた

まだ残暑が厳しく天気予報では暑くなると朝のテレビで放送されていた

待ち合わせは11時、平野の家もわからないから学校の最寄り駅を待ち合わせ場所にした

平野は歩いて通学していることだけ知っていたから学校から近いのだろうと予想された

頭の中で今日のシュミレーションをする

こんなに緊張するのは受験以来かもしれないと思いながら自分でおかしくて笑っていた

女子と2人で出かけるなんて中学の時の彼女以来だけど、アイツとはこんな緊張はなかった

全部アイツが決めていたから俺は特に何もすることはなく、告白も、デートも、キスも……

別れると言われたのも向こうからだった

何でも決めてくれて話もよくするし嫌いではなかったけど……

別れたいと言われてすがりついてまでっていう気持ちもなかったから素直に受け入れた

頭の中で過去の事を考えていると自転車で平野が手を振りながら現れた

時計を見ると20分前……

時間にルーズでもない、また俺には好印象だった