和真は蓮香の非難の眼差しを受け流し、言葉を続ける。
「俺、血吸われたらお前に手ぇ出すかもしれないから」
「は?」
意味が分からない、と首を傾げられた。
コテン、と首を傾ける仕草は美しいと言うより可愛い。
普段なかなか見られない蓮香の愛嬌のある仕草に、和真は改めて思う。
(さっきの匂いといい……やっぱ自制出来る自信ねぇな)
本来は一矢報いようと思い付いた事だった。
でも、美しく愛嬌のあるこんな姿を見せられたらそんな思惑など関係無しに自分を抑えられる自信が無くなった。
和真は未だに首を傾げながら眉を寄せている蓮香に、もっと分かりやすい説明をした。
「血を吸われたら、性的快感を覚えるだろ? 俺、お前みたいな美人に血吸われて、理性保ってなんかいられねぇから」
そこまで言うと、蓮香も意味を理解したのか顔色が変わっていく。
驚きの表情から、少し血の気が引いた様になって、最後に体中の血が全て顔に集まったかのように真っ赤になる。
まさしく茹でダコ。
面白いほど変わっていく表情に、和真はニヤリと傍目から見ても悪どい笑みを浮かべた。
「どうした? 俺の血吸うんだろ?」
「っ! そう、だけど」
「じゃあ吸えよ」
完全に怖気付いた蓮香。
肩から手が離れていきそうになる。
だがそれを和真が押さえる様に掴んだ。そして自分から顔を近づけ、蓮香の耳に囁く。
「俺の血、吸いたいんだろう? 吸えば良いさ。その代わりに、吸った後で今度は俺がお前を襲うけどな?」
「っっっっっ!!」
声にならない悲鳴を上げて、蓮香は和真の手を振りほどいて距離を取る。
「どうしたんだよ? そんなに離れたら血吸えないだろ?」
「……っ。かっ! 可愛い顔で襲うとか言わないでよ!」
「可愛い顔してても俺だって男なんだよ」
顔の事を言われて少しムッとした。だが明らかにテンパっている蓮香を見るとそれも大した事ではなくなる。
(ヤバイな……。ある意味、ハンターの血が騒ぎそうだ)
吸血鬼を狩るハンター。だが今は、吸血鬼の前にこの美しくて可愛い少女を捕まえたい。
「ほら、血吸うんだろ? こっちに来いよ」
誘う様に右手を伸ばす。そして一歩近付く。
すると思わずといったように蓮香が後退る。
「えぇっと……。き、今日はやっぱり気が乗らないし……。お腹も空いてないから……あ、明日にするわ!」
そうどもりながら言った蓮香は、クルリと背を向け逃げていった。
「……明日、ね」
その背を見つめながら、和真は意味深な笑みを浮かべるのだった。
「俺、血吸われたらお前に手ぇ出すかもしれないから」
「は?」
意味が分からない、と首を傾げられた。
コテン、と首を傾ける仕草は美しいと言うより可愛い。
普段なかなか見られない蓮香の愛嬌のある仕草に、和真は改めて思う。
(さっきの匂いといい……やっぱ自制出来る自信ねぇな)
本来は一矢報いようと思い付いた事だった。
でも、美しく愛嬌のあるこんな姿を見せられたらそんな思惑など関係無しに自分を抑えられる自信が無くなった。
和真は未だに首を傾げながら眉を寄せている蓮香に、もっと分かりやすい説明をした。
「血を吸われたら、性的快感を覚えるだろ? 俺、お前みたいな美人に血吸われて、理性保ってなんかいられねぇから」
そこまで言うと、蓮香も意味を理解したのか顔色が変わっていく。
驚きの表情から、少し血の気が引いた様になって、最後に体中の血が全て顔に集まったかのように真っ赤になる。
まさしく茹でダコ。
面白いほど変わっていく表情に、和真はニヤリと傍目から見ても悪どい笑みを浮かべた。
「どうした? 俺の血吸うんだろ?」
「っ! そう、だけど」
「じゃあ吸えよ」
完全に怖気付いた蓮香。
肩から手が離れていきそうになる。
だがそれを和真が押さえる様に掴んだ。そして自分から顔を近づけ、蓮香の耳に囁く。
「俺の血、吸いたいんだろう? 吸えば良いさ。その代わりに、吸った後で今度は俺がお前を襲うけどな?」
「っっっっっ!!」
声にならない悲鳴を上げて、蓮香は和真の手を振りほどいて距離を取る。
「どうしたんだよ? そんなに離れたら血吸えないだろ?」
「……っ。かっ! 可愛い顔で襲うとか言わないでよ!」
「可愛い顔してても俺だって男なんだよ」
顔の事を言われて少しムッとした。だが明らかにテンパっている蓮香を見るとそれも大した事ではなくなる。
(ヤバイな……。ある意味、ハンターの血が騒ぎそうだ)
吸血鬼を狩るハンター。だが今は、吸血鬼の前にこの美しくて可愛い少女を捕まえたい。
「ほら、血吸うんだろ? こっちに来いよ」
誘う様に右手を伸ばす。そして一歩近付く。
すると思わずといったように蓮香が後退る。
「えぇっと……。き、今日はやっぱり気が乗らないし……。お腹も空いてないから……あ、明日にするわ!」
そうどもりながら言った蓮香は、クルリと背を向け逃げていった。
「……明日、ね」
その背を見つめながら、和真は意味深な笑みを浮かべるのだった。