「ちょっと言い過ぎたかなぁ……。」
アベラード卿は帰り道に一人、呟いた。




次の日。

アベラード卿が仕事をしていると、またハンプトン子爵が訪ねてきた。
今度はなんだよと思ったら、昨日のお礼を言われた。
「ありがとう!君のおかげでアリアは部屋から出てきてくれた。」
「いいですよ。それより、ちょっと言い過ぎたんじゃないかと心配しています。」
「いや、あれぐらい言ってもらった方がアリアのためには良いだろう。」
「それならいいんですが……。」




一方、ハンプトン子爵令嬢はというと、田中さんの元を訪れていた。
「私、なんでみんなに迷惑かけちゃうのぉー!!どうしたら、良いか教えてよぉー!?」
「ちょっ、ちょっと落ち着いてください!!」
「ぴえーん!」
「えっ?ぴえっ??」
「今流行ってるの!ぴえーん!ぴえーん!」
「そうなんですか……って、流行りを取り入れるあたり、全然取り乱してないですね……。」
「いや、そんなことないわ!私、すっごく悩んでるの!ぴえーん!」
「もしかして、流行りの言葉を使いたいだけじゃ……?」
「……いや、そんなことないわよ!私、こんな性格じゃダメだなって思ってるの!なんとかして、変わりたいの!」
「じゃあ、どういう人になりたいんですか?」
「みんなから愛される人になりたいの!」
「……。」
「どうしたのよ!?無言になって!!」
「いや、別になんでもないですよ。気にしないでください。」
「そう?じゃあ、どうしたらみんなから愛されるか教えてよ!!」
「えーと、まずは人に優しくしたり、親切にしたりしてはどうですか?」
「えー、なんで私がそんなことしないといけないのぉー!面倒くさいわよぉー!!」
「そう!それです!面倒くさいと考えること自体がダメなんですよ!」
「そうなの!?」
「そうです!みんなから愛される人というのは、人に優しくするのを面倒くさいとは考えないはずですよ!だから、そこから直していくべきですね!!」
「それはどうやったら直るの??」
「それは……」
「それは……?ゴクリ(゚A゚;)」
「「面倒くさいと思わなくなるくらい、人に親切にするのです!!」」
ドテーン!!!
ハンプトン子爵令嬢は、盛大にコケた!