「確かに。俺にハンプトン子爵令嬢を操らせるぐらいなら、国のお金を勝手に使っていてもおかしくないな……。
ちょっと手紙をもう一回見せてくれないか。」
コーニエルが手紙の消印の日付をじっと見つめて、「もしかして。」とつぶやいた。
アベラード卿が「どうしたんですか?」と尋ねる。
するとコーニエルがアベラード卿の顔をまっすぐに見て、「手紙に書いてある、求めていたものとはハンプトン子爵令嬢の持ち物のことかもしれん。」と言った。
「それは本当ですか!?」
アベラード卿が聞き返した。
ハンプトン子爵令嬢も「えっ!?それは、本当なの?」と聞き返した。
田中さんは驚いて口を開けていた。

「実は、操るには操るターゲットの持ち物が必要だと国王に伝えてから、国王がやっと手に入れたと三年ぐらい経ってから持ってきたんだが、それがハンプトン子爵令嬢の持ち物ではなかったみたいで、操ることができなかったんだ。
『お引き受けいただき、ありがとうございます。楽しみにしています。』と書いてある手紙の消印の日付から、『頂いたものは、私が求めていたものではありませんでした。次は間違えないでください。』と書いてある手紙の消印の日付まで約三年経ってるだろ。
それから、『確かに私が求めていたものでした。後日、お礼に参りますのでお待ちください。』と書いてある手紙の消印の日付が、国王が今度は本当にハンプトン子爵令嬢の持ち物を手に入れてきて、俺がハンプトン子爵令嬢の操りに成功して少ししてからの日付になっているからあっていると思う。」