ガサゴソ。ガサゴソ。
「うーん。なかなか手がかりになるものが見つからないなぁ……。そっちは、何か手がかりになるものは見つかったかい?」
アベラード卿が田中さんに尋ねる。
「こっちも…モグモグ…手がかりになるものは…モグモグ…見つかりませんでした。」
「そうかー。そっちも見つからなかったんだね……って、なにを優雅に人の家の物を食べとんじゃい!!」
アベラード卿は思わず本棚にあった本を取り出し、田中さんに投げつけた。
「「痛ーーーッ!!」」
田中さんは、涙目になった。
「酷いですよ!!角に当たったじゃないですか!!慰謝料請求しますよ!!出るとこ出てやるーー!!」
「あらー、かわいそうに……。アベラード卿に苛められて……。レディに物を投げつけるなんて最低よっ!!」
ハンプトン子爵令嬢が田中さんを擁護する。
「そうだ、そうだー!!!女性に物を投げつけるなんて、最低の男だな!!」
コーニエルも参加する。
「えっ!?何で……!?何でこっちが悪者になってるの??」
アベラード卿は、何故だか大変な目にあっていた。


「あれ?なんだこれ?」
田中さんが声をあげた。
「どうしたの?」
ハンプトン子爵令嬢が尋ねる。
「いや……なんか、本の間になにか挟まってるんですよ。」