「ふぅ……スブルストから帰ってこれて良かったね。」

「そうですね。帰ってこれて良かったですね。」

アベラード卿と田中さんは、スブルストでの出来事を思い出していた。









「えー!?結局ここまで来たのに、日本へ戻れないのー!?」

「ごめんなさい。日本に戻るためには、かなりの魔力がいるのよ。田中さんには申し訳ないけど、もう少しこの世界で生活してくれる?」

「……仕方ないですね。魔力が回復したら絶対、日本へ帰してくださいね!」

「ええ。絶対、日本へ返すと約束するわ!!」



「あっ!!そうだ!アベラード卿を起こさなきゃ!起きてください、アベラード卿!!」

ゆさゆさと肩を揺すってみた。

アベラード卿は起きない。

「うーん、起きないなぁ……。どうしよう?」

「水かけてみたらいいんじゃない?」

ザーとバケツで汲んだ水をアベラード卿の顔にかけてみた。

「それでも、起きないですね。」

「悪い。ちょっと、睡眠魔法の加減が強かったのかもしれん。久しぶりにやったからなぁ……。」

コーニエルが謝る。

「ビンタしたら、起きるんじゃない?」

「分かりました。やってみます!」

バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!

「「イテーーー!!!」」

「あっ!起きた!(‘д‘ )」