「なになに、魔法には本人が直接魔法を出す場合と、魔法のエネルギーを石に送り込んでそのエネルギーが入った石を持っている間だけ、魔法が使えない人でも不思議な力を得られる場合があるって書いてあります。」

「そういえば、総括メイドになったカレンさんも不思議な石を使って、ネコに証言をさせてレオ殿下の悪事を暴いていたな。

あれが魔法のエネルギーを送り込んでできた不思議な石だったんだろうな。」

「えっ!?総括メイドのカレンさんという人が不思議な石を持っているんですか!?ぜひ、カレンさんに会わせてください!!お願いします!!」









「私がカレンですが何かご用ですか?」

「初めまして。私は、田中と申します。カレンさんが不思議な石を持っているとお聞きしまして、ぜひ私も見てみたいと思いまして参りました。」

「わざわざ私に会いに来てくれて残念だけど、あの石はティム様がワンワン民族の子供に貰ったものだから、ティム様に返したわ。」

「そんな……。ティム様が持っているんですか……。それでは、ティム様に会わせていただけませんか?」

「残念だけど、ティム様は奥様と子供が待つ家に帰られたわ。」

「そんな……。」

「なぜ、タナカさんはそんなにその石を見てみたいの?」

「不思議な力を持った石なんでしたら、私もその石の力で元の世界に帰れるかもしれないと思いまして。」

「元の世界?」

「はい。私は、この世界の人間ではないんです。なぜかこの世界に来てしまいまして、元の世界に戻るための方法を探しているんです。」

「ごめんなさい。全然、タナカさんの話が理解できないわ。」