ティムと護衛は長旅で疲れて、その日はぐっすり寝た。

そして、翌朝。

「ミリー、お父さんだよー。(ニコッ)」

「ギャーーー!!!」

「ミリーに大泣きされた……。もうやっていけないよ……。」

ティムは、ショックを受けた。

「たぶん、ずっと会っていなかったからティムのことを知らない人だと思って、怖がってるんでしょうね。」

「フフッ……。」

「おい!今、笑っただろ!!」

「えっ?なんのことですか?」

護衛がとぼける。

「あっ!それよりも、一体誰がティム様を狙ってるんでしょうね?」

「誤魔化すなよ!!」

「ティム様のせいで、奥様まで巻き添えを食らってかわいそうですね。」

「お前の一言一言がムカつくわ!!しかも、核心をついてくる!!」

「別に私は、気にしてないわ。

有能な執事のセバスチャンが盗賊を倒してくれたお陰で、家にいたみんなも無傷だったし。」

「だけど、本当にすまなかった。

私のせいでみんなを危険な目に遭わせてしまって……。絶対に犯人を捕まえてみせるからな!!」

「犯人ならもう捕まったそうよ。」

「えっ!?そうなのか!!?」

「さっき、警察から報告が来てハンプトン子爵令嬢が犯人だったそうよ。」

「「なんだって!?」」

ティムは、驚いた!!

ティムの元婚約者だったからだ!!

「なんでも、ハンプトン子爵令嬢と柄の悪い連中がなにか良からぬことを企んでいるみたいだと警察へ通報があったみたいで、警察がハンプトン子爵令嬢の周りを探っていたそうよ。

そして、昨日私たちを襲ってきた盗賊がハンプトン子爵令嬢から雇われていたみたいなの。」

「なんで私を狙っていたんだ。」

「うーん、それが動機がわからないらしいの。」

「えっ?」

「本人も、なぜティムを殺したかったか分からないみたいなの。」

「意味が分からないな。」

「私も、意味が分からないわ。」